尾道青年会議所は、創立以来多くの青年有志の尽力により、移り変わる時代を見据え、住み暮らす市民・まちを想い、社会開発運動を展開してきました。その運動が現在の組織の形を確立し、このまちにおける尾道青年会議所の意義を見出してきました。現在の日本は情報が諸資源と同等の価値を有し、それらを中心として機能する社会へと進化し、今後も急速に発展することが予測されます。我々は地域を担う青年として未来を見据え、先輩諸兄に負けない情熱を持ち、市民のため、まちのために急速に発展する時代に対応し、運動を起こすことが重要であると考えます。40歳までという限られた時間を過ごす中で、入会年度は異なっても青年会議所という組織に在籍する以上、常に学ぶことのできる機会があります。青年会議所活動の中で入会から卒業まで多くの仲間や先輩諸兄から学ぶことは、卒業後の人生において必ず礎となります。そして、その中で未来を背負い貴重な時間を費やす我々だからこそ、学び続ける姿勢を持ち、先を読む力を養い、柔軟な考え方を持ちながら自身の未来に挑戦し、想いを精一杯表現し、自分に後悔しない生き方を築き上げ、価値ある団体にふさわしい人財となるべく行動に移していくことが大切であると考えます。そして自らの行動・言動が市民を動かし、まちを動かす。そうした誇りや情熱を持って結束し活動を務めていくことが「明るい豊かな社会」の実現に繋がると信じます。
今年度尾道青年会議所は25年振りに中国地区コンファレンスを主管させて頂くこととなり、尾道の魅力を最大限に発信する絶好の機会となります。開催に向けて青年らしい柔軟な発想力と、挑戦をする能動的な行動による会員一人ひとりの成長により組織力が向上し、尾道青年会議所の更なる発展と地域の持続的な発展に繋がります。中国5県53LOMのメンバー、地域を組織として迎え入れることができるよう、本年度はメンバー一人ひとりがさらなる成長の機会と捉え、「段取り八分」で計画・準備を一丸となって取り組み、次なる一歩へ向けて覚悟を持って活動して参ります。
未来のまちは市民一人ひとりが描くことができます。そうした自らのまちに対する理想や想いこそが、これからまちが進むべき道を照らす光であると考えます。我々はその光をJAYCEEとして、どういったものなのかを考え、市民の方々を先導し、より輝くものへと昇華させなければなりません。より輝かせるためには地域に現存する伝統や文化と共に地域の価値を未来に向けて高めていくことも大切ですが、周囲から注がれている光はどういったものなのかを考えることも忘れてはいけません。また、忘れてはいけないのが防災です。地震大国とも呼ばれる日本では近年、毎年どこかで災害が発生しております。有事の際に出来ることは実際ほんの少しのことかもしれませんが、常に防災意識を持つことを忘れてはなりません。我々がこれまでに築き上げてきた行政や関係諸団体との連携をより深め、広域的な視野と柔軟な価値観を持ち合わせた市民が一人でも多く存在し、互いに協力し合い、まちとして周囲からの期待に応える意志を持ち、行動を起こすことが未来の尾道を創造すると考えます。
我々は地域をより良くするために様々な運動を続けておりますが、尾道青年会議所がどのような組織で何を目的に、どのような事業を行っているのかを知らない市民も多いのが現状です。インターネットが張り巡らされ、SNS等情報発信の手段が多様化していく中で、我々はそれらをまだ戦略的には使いこなせておりません。対象を明確にし、迅速に事業の内容やその目的を地域等へ分かりやすく発信することで、共感を得るとともに、組織内外における連携をより強固にしていくことが必要です。そのためには尾道青年会議所として今まで以上に年間のストーリーを創造して、会員一人ひとりが情報を発信するという意識を持ち、事業を広く効果的に発信して参ります。
現代の子どもたちを取り巻く環境は、急速な情報化や技術革新により、生活を変化させ進化しています。将来の変化を予測することが困難な時代を前に、子どもたちは現在、そして未来に向けて自らの人生をどのように切り拓いていくのかを具体的にイメージする力が失われつつあるように感じます。青少年期にこそ「高い志」や「大きな夢」を持ち、未来に向けて進もうとする希望と行動力を向上させる必要があります。そのためには多くの機会に対して主体的に向き合って関わり合い、自らの力で人生を切り拓くことができるという実感を持つことが、次代のまちを担う人財へと成長していく一歩になると信じます。尾道の歴史・伝統・文化を知るということもその一助であり、幅広い世代と想いを知り、如何に携わっていくことができるのかといった意識を永続的に育んでいきましょう。
ひとは人生において失敗から学ぶことのほうが多いかと思いますが、それは失敗するから学べるのではなく、自らが創りあげた想いに真剣に向き合い、果敢に挑戦する中で自身に誇れるだけの行動をするからこそ学べるのだと考えます。そして、そこには同じ空間、時間を過ごす仲間がいます。だからこそ、一人ひとり固有の価値観、考え方、捉え方があり、自らのおかれている環境が様々であっても、自らのことだけをこなすのではなく、一度きりの人生、青年会議所という舞台で自らを高め、生涯を共にするだけの関係を築くことが出来る仲間達と結束力を高め、より強固な組織となることが市民やまちに誇れる団体へと発展します。
一方で、近年の青年会議所は会員数の減少が著しく、尾道青年会議所もこの問題に直面し、運動発信する力は衰退の一途を辿っているといっても過言ではありません。今後も市民やまちに影響を与え、そして自らの成長のために運動を行っていくためには、会員拡大は急務です。会員数の増加は、地域に対する私たちの活動・運動の影響力を増幅させ、地域の未来への可能性を広げることに繋がります。また新たな仲間は、会員や組織に新たな価値観や刺激をもたらし、組織の活性化にも繋がります。我々は異業種が集う組織として、このまちに住み暮らす青年世代と多くの交流を通して繋がりを持ち、自分事として情熱と気概を持ち、組織一丸となって次代のJAYCEEを生み出して参ります。
人は誰かのために、何かのために行動してこそ自分の能力以上の力を発揮できます。仲間のことを想う気持ちが自分を動かし、大きな力になっているのです。まちのため、市民のため、仲間のためだからこそいつも以上の力を発揮することができ、自分の限界を打ち破り、さらなる自己成長を遂げることが出来ます。こんな時代だからこそ、自分らしさを忘れずに、互いに手を取り合い、結束し、今この瞬間を最高の時間にしよう。