理事長所信

「守 破 離」~郷土の誇りを未来へ~2022年度 理事長 今岡 正英

ふるさとを一度離れ帰郷した際の感動を忘れることはできません。当たり前だった日常の景色は、自然と文化が見事に融合した美しい景色へと変わっていました。近くにある宝というものは日常に溶け込んでしまえばその価値に気付くことはありません。一度離れることによって、またその宝に初めて触れる人々によって価値に気付かされていくものなのです。尾道で生まれ育った人は誰しもふるさとを誇らしく思ったことはあるはずです。郷土愛という精神は必ず皆感情のどこかに持っています。私たち青年会議所の活動の源は郷土愛にあります。地元地域をもっと良くしたい、地元地域の人々をもっと元気づけたい、そうした想いからすべての思考は始まります。現在は幅広く様々な活動を行っていますが、他団体には無い独特の気質を「まち」「ひと」のためにもっと活用していくべきと考えます。青年会議所はまちに支えられ育てて頂いた団体でもあります。尾道を代表する青年経済人として、育てて頂いたまちに恩返しをしていくその使命を負っているということを自覚しておかなければいけません。地域を牽引していく立場となった今、未来のため次世代のために郷土愛溢れる活動をしてまいります。

守 破 離とは

まちやひとへの恩返しをしていくために必要な心掛けは「守 破 離」の精神にあると考えています。守破離とは本来修行における過程を表したものです。

【守】 先人の教えを忠実に守り、基礎を確実に実行していく様
【破】 基礎を守りつつも応用や改善を重ね、自分の想いを加えていく様
【離】 自らの考えや想いで、新しいものを生み出していく様

しかし、私が考える守破離とは過程ではなくその一つ一つを大切にしていくというものです。青年会議所が実施していく事業には、守に重きを置くべきもの、破に重きを置くべきもの、離に重きを置くべきもの、すべて存在します。内容によってどの精神を大切にすべきなのか判断していく必要があります。常に変化し続けるこれからの時代、今まで通りの手法でいくのか、今までとは少し違う方法をとるのか、全く新しいスタイルを取り入れるのか、自分の信念を持って選択していくことが求められます。

尾道青年会議所1957年に県内4番目の青年会議所として設立されました。本年度は創立65周年を迎えます。これまで長きに亘りまちのためひとのために活動されてきた先輩諸氏がいたからこそ、そしてその魂(こころ)を途切れることなく紡いできたからこそ65周年という節目を迎える事ができています。様々な歴史を作り上げてこられた先輩諸氏に敬意を表するとともに、今度は私たちが新たな歴史を築いていくその立役者にならなければいけません。新たな歴史の第一歩として、本年度はまちの人々に笑顔と感動を届ける記念事業を開催いたします。先の見えない不安定な状況にあっても、明るい笑顔と深い感動は人々を和ませ心を豊かにしてくれます。

「守 破 離」~郷土の誇りを未来へ~
一般社団法人 尾道青年会議所
【2022年度 テーマ】

市民が青年会議所に期待していること、それはまちづくりです。近年よく耳にする言葉があります。「JCって何をしているの?」この言葉を聞く度にまちへ貢献できているのか考えさせられます。ではどういう存在であるべきなのか。市民が求めているものを把握し応えるのがJC、困った時に助けるのがJC、体力・気力・知力を惜しみなく提供するのがJC、このように考えています。これまで先輩諸氏が作り上げてこられたまちづくり事業もまさにこうした活動だったのです。誰もが青年会議所の活動に賛同してくれるよう、市民の期待に応える事業を展開してまいります。

コロナ禍によって都市部から地方に関心が高まっている現在(いま)、地方における未来志向の活動は今後益々注目されていくと考えられます。地方は都市部とは全く違う魅力に満ち溢れています。山や海に囲まれた自然豊かな街並み、人情味あふれる人々、何よりまちの一体感は最大の魅力です。尾道はまさにそのような地方であり、発信すべき素材は数多く存在します。まだ陽の目を見ていない場所でも輝きを放つ可能性は十分に秘められています。暗い話題が渦巻いている今だからこそ、尾道の持つ多様性を活かして、人々が集う活気あるまちにしていかなければいけません。地域の未来を創る、青年会議所はそのきっかけを生み出す役割を担っています。

本年度尾道青年会議所は11年ぶりに広島ブロック協議会のアカデミー事業を開催します。コロナ禍により中止せざるを得なかった昨年度の想いも込め、本年度は開催に向けて進めてまいります。入会年度の浅い会員にとって、広島ブロック協議会内での交流は極めて貴重な経験となります。井の中の蛙状態では、他LOMに在籍する才能豊かな人との出会いもありません、自分の持っている更なる可能性に気付くこともできません。青年会議所の魅力は人との出会いでもあります。地域間の結束をより強固なものにしていくために、尾道らしい特徴を活かしたアカデミー事業を構築してまいります。

尾道の未来を託すのは私たち青年世代ではなく、現在の子どもたちに他なりません。その子どもたちに対し私たちは今何ができるのか、将来を見据え考えていく必要があります。子どもたちが成長し大人になった時「小さい頃青年会議所の人たちからこんなことを学んだな」と思い出してほしい。何十年先にも記憶に残るような事業を展開したいと考えています。それが原動力となりまちに恩返しをしていくことに繋がればこれほど嬉しいことはありません。現在は少子高齢化により地方の子どもたちは益々貴重な存在となってきています。県外への流出は何としてでも避けなければいけません。尾道に戻りたい、尾道のために働きたい、そう思える郷土愛作りの一端を担いたいと考えています。

近年深刻な問題となってきている会員減少、10年前と比べ約20名減少しています。会員拡大の活動は続けているのに入会者数は伸び悩んでいます。その根本的な原因の一つは主体性の低下です。誰かがやってくれるだろうという考えが心のどこかに存在していることです。もう一つは青年会議所の活動意義を語れていないことです。自信を持って語ることができなければ伝えることもできません。どちらも取り組む姿勢が関係しています。ではどうすれば良いのか、それは当たり前のことですが青年会議所の活動に真摯に向き合うことです。気持ちを込めて取り組むことができれば、自ずと当事者意識も芽生え活動意義も語れるようになります。そして生き生きとし魅力的な人間へと変化していきます。結果としてそれが青年世代へと伝わり会員拡大へも繋がっていくことは間違いありません。

未来のために

現状だけを見るとしんどく辛いものばかりかもしれません。活動に消極的になってしまう時期があるかもしれません。しかし青年会議所で活動する価値というものは卒業した後に湧き上がってくるものです。卒業した後の姿を想像してみてください。やりきったからこそ二度と得ることのできない知識や経験を手にしています。何より一生の仲間ができています。青年会議所に所属できるのは生涯の中でも限られたわずかな期間だけです。未来の自分のため、未来の尾道のため、未来の社会のために、今できることに精一杯取り組んでまいりましょう。その取り組みこそが青年会議所の存在意義となり、未来のまちの創造へと繋がっていくのです。これまで長きに亘って紡いできた先輩諸氏の想い、そして皆さんの想いを結集しまちへの感謝を形にしていきましょう。