理事長所信

「燈」~志の燈を灯し、まちを照らす~2026年度 理事長 中島裕一朗

我々が暮らす尾道は、瀬戸内海に面し、古くから海運と陸路が交差する「瀬戸の十字路」として発展してきました。文化や人々の交流を重ねながら、独自の風土と温かな人間関係を育んできたこのまちは、坂道や石畳、寺社仏閣、海と島々が織りなす風景とともに、過去と未来、静けさと賑わいが調和する特別な場所です。

しかし今、このまちにも少子高齢化、人口減少、空き家問題、担い手不足といった深刻な課題が迫っています。華やかな観光都市という一面の裏側で、地域の持続可能性を揺るがす現実が、確実に進行しているのです。
もはや「誰かが何とかしてくれる」では済まされません。
私たち一人ひとりが当事者としてこのまちの未来に向き合い、行動を起こす時です。
尾道青年会議所には、その覚悟と責任、そして行動力があります。

私が今年のテーマとして掲げる「燈(あかり)」とは、未来を照らす希望であり、誰かの道を導く優しさを意味しています。それは必ずしも大きな光である必要はなく、むしろ、そっと寄り添うような、あたたかい明るさであってほしいと願っています。
青年会議所のメンバー一人ひとりが、その“燈”を胸に抱き、身近な人々の暮らしに小さな“燈”を届けていく。そうして生まれた“燈”の連鎖が、やがてまち全体を照らす光となる。私はそんな未来を、仲間と共に実現していきます。

私自身、青年会議所に在籍して10年を超え、さまざまな活動に携わってまいりました。そのなかで、多くの経験を重ねるとともに、OB諸先輩方からは、尾道に生きる誇り、JCとしての責任と影響力、そして志を同じくする仲間と行動することの大切さや楽しさを学びました。その教えは、今も私の中に確かに灯っている“燈”です。

「燈」~志の燈を灯し、まちを照らす~
一般社団法人 尾道青年会議所
【2026年度 テーマ】

本年度、私はこの「燈」をテーマに掲げ、仲間と共に地域の課題に正面から向き合い、尾道のまちに新たな希望を届けていく一年とする決意です。
地域の課題を確実に解決するためには、まず私たち自身が現場に足を運び、地域の声を聞き、課題の糸口を探り、自分ごととして関わることが不可欠です。
そして「我々に何ができるのか?」という問いに、自らの言葉と行動で応えていくこと。
それこそが、青年会議所という組織の本質であり、私たちの存在意義です。
JC活動には決して“正解”はありません。多くの失敗や間違いもあるでしょう。
しかし、だからこそ面白いのです。仲間と助け合いながら、時にぶつかり合い、反省を重ね、一歩一歩前に進んでいく。そのような泥くさい活動こそが自信につながり、やがて誰かの“燈”となるはずです。

~未来を見据え、今を動かすまちづくり~

未来を担う子どもたちの育成は、まちの未来を創造するための最も確かな投資です。
子どもたちが尾道という地域の魅力を自ら感じ、誇りを持って育つことが、持続可能で、将来にわたり選ばれ続けるまちづくりの第一歩となります。
これから先の未来を強く意識し、今を動かすという視点を持ち、市民・企業・行政と積極的に対話を重ね、JCならではのイノベーションと行動力で課題解決に取り組みます。
単なる一過性のイベントにとどまらず、将来にわたり選ばれ続けるまちづくりを実現するため、効果的な活動を展開してまいります。

~地域を守る責任と、自ら動く姿勢~

尾道に根ざした文化や伝統、そして祭りは、長い年月をかけて人々の手によって育まれてきた、かけがえのない“燈”です。
これらを未来へ継承していくためには、ただ守るだけではなく、その背景にある暮らしや人のつながり、そして安全・安心な地域環境を守ることが必要です。
近年頻発する自然災害は、一瞬にして地域の歴史や風景を奪う脅威となり得ます。
だからこそ、日頃からの備えをし、行政や他団体と連携していくことで、互いに防災意識と知識を高め合いながら、防災力のあるまちづくりを進めてまいります。

~仲間との絆が、力強い行動の源になる~

現代社会においては、人と人、そして組織と地域との関係性が希薄になりつつあります。
しかし、私たちが目指す「明るい豊かな社会」の実現には、地域との共存、そして深いつながりが欠かせません。
地域の一員として当事者意識を持ち、「共に何かを創り上げる」という共創の関係性を築くことが、これからのまちづくりにおいて非常に重要です。
私たちは、JCならではの視点と行動力を活かし、地域課題に真摯に向き合い、人と人、心と心をつなぐ活動を力強く展開してまいります。

~誠実で共感される組織であるために~

今日における広報活動は、単なる情報発信ではありません。
私たち尾道青年会議所の想いや活動の意義を“見える化”し、地域との信頼関係を育むための大切な手段です。
私たちがどのように地域と向き合っているのか、その一つひとつを丁寧に伝えていくことで、市民や行政、他団体との共感が生まれ、まち全体を巻き込む前向きな連携につながっていきます。

~自らが“燈”となる人財の育成~

青年会議所は「人が育つ場所」であり続けなければなりません。
メンバーが自身の可能性に挑戦できる環境を整え、リーダーシップを育む機会を提供し、実践的な学びの場を通じて、地域に影響を与える人財の輩出を目指します。
他者のために行動することは、最大の自己成長につながります。
メンバー自身が能動的に参画し、地域課題に挑戦し合うことで、「自己成長」と「地域成長」の両立を図る強い組織を築いてまいります。

そして、こうした多様な課題に取り組むためには、組織としての影響力と継続性が何よりも重要です。新たな仲間を迎え入れ、多様な価値観や経験が交わることで、視野が広がり、活動の可能性も大きく広がります。
その広がりこそが、地域課題の解決に向けた実現力へとつながるのです。

結びに

この世の移り変わりは激しく、地域を取り巻く環境も大きく変化しています。
しかし、どれほど時代が変わろうとも、尾道が持つ魅力や人のつながり、そしてこの土地に生きる私たちの誇りは、決して揺らぐことはありません。
私は、尾道がこれからの時代にも“選ばれるまち”であり続けるために、青年経済人としての責任を強く感じています。
私たち一人ひとりが地域の課題を「自分ごと」として捉え、小さな“燈”をともしていくこと。それこそが、未来を照らす大きな希望へとつながっていきます。
尾道の未来に希望と可能性を信じ、メンバー全員が圧倒的な当事者意識を持ち、英知と勇気と情熱で、まちに“燈”をともしてまいります。

2026年度 理事長
中島裕一朗